新生児の睡眠 知っておくべき8つの事実
公開日:
:
最終更新日:2017/01/29
睡眠の悩み
『アタッチメント・ペアレンティング』と世界的なベストセラーの育児書で有名なシアーズ博士の子育てサイトAsk Dr. Searsには、新生児の睡眠について、パパとママが知っておくと気持ちが楽になれる8つの事柄を掲載しています。
これはパパ&ママだけでなく、親しい周りの人たちにも理解しておいてほしい事でもあります。
1. 大人の睡眠の特徴
- 大人は深い眠り(ノンレム睡眠)から入る
- ノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルは90分
大人の睡眠は、ノンレム睡眠と呼ばれる深い眠りと、レム睡眠と呼ばれる浅い眠りの繰り返しです。最初に深い眠りに入り、体も脳もリラックスした状態になります。1時間を過ぎると脳が動きだし、体も寝返りをうったり完全に起きることなくトイレに行ったりと活動的になり、再び深い眠りに入ます。このノンレム-レム睡眠の1つのサイクルが90分で、睡眠時間8時間とすると、ノンレム睡眠6時間・レム睡眠2時間ということになります。
2. 赤ちゃんの睡眠の特徴
- 赤ちゃんは浅い眠り(レム睡眠)から入る
- 睡眠中に微笑んでいるのはレム睡眠のとき
新生児の眠りのサイクルは大人と反対で、浅い眠りのレム睡眠から始まります。赤ちゃんを抱っこして寝かしつけ、ベッドにおいた途端に起きてしまうのはこのためです。
眠りについた赤ちゃんをよく見てみましょう。まぶたがぴくぴく動いていたり、笑っているような表情をしたり、腕や足の力が完全に抜けていないなら、まだ浅い眠りです。20分ほどすると、手足もだらんとし、深い眠りについたことが解ります。赤ちゃんをベッドに置いたり、カーシートから動かすときは、このタイミングを狙いましょう。
3. 新生児の睡眠サイクルは短い 大人の3分の2
大人のノンレム-レム睡眠サイクルは平均90分ですが、赤ちゃんの睡眠サイクルは50~60分です。ぐっすり寝たと思って、寝顔を眺めていると、ちょっとした音に反応したり、体が動きだしたりしてますね。深い眠りから浅い眠りになるときに、お腹がすいていたり、オムツが不快だったりすると、起きてしまいます。
夜も同じサイクルですので、浅い眠りになった時に起きてしまう赤ちゃんは、眠りに戻る助けが必要です。泣いている場合はおむつ替えや授乳が必要ですが、完全に目が覚めていないなら、背中やお腹に手を当ててさすったり、添い寝の場合は胸の近くに抱き寄せるなどして、深い眠りに導きましょう。
4. 赤ちゃんの眠りは浅い 夜は大人の2倍活動している
深い眠りまで時間がかかり、睡眠のサイクルも短い。さらに追い打ちをかけるようなことは言いたくないのですが、赤ちゃんの浅い眠りは、大人よりもさらに浅いそうです。浅い眠りの時は体が動きます。赤ちゃんの寝相が悪いのはこのためで、浅い眠りの間の活動量は大人の2倍だそうです。
5. 短い睡眠サイクル=新生児の生きる本能
新生児の3か月は最も世話が大変な時です。赤ちゃんからのコミュニケーション手段は「泣くこと」だけ。親は疲れ、赤ちゃんに早く長く寝てほしいと思うのも当然のことです。
しかし、産まれたばかりの赤ちゃんにとっては、長い睡眠も深い睡眠も命の危機につながるとしたらどうでしょう。お腹がすいたり、鼻がつまったりしても起きて泣かないというのは非常に危険と言えます。赤ちゃんは必要だから目が覚め、泣いて知らせるのです。
「長く、ぐっすり寝せます」というような赤ちゃんの寝かしつけ法は、自然ではありません。気を付けましょう。
6. 浅い眠りの時、赤ちゃんの脳は発達している
浅い眠り、レム睡眠では脳は動いています。脳への血流も増え、体は神経系の発達に必要なたんぱく質を作ります。この浅い眠りの間に赤ちゃんの脳は活発に発達し、2歳までに大人の脳の70%の大きにまで成長するそうです。ある研究によると、未熟児の眠りは全体の90%が浅いレム睡眠だそうです。脳の発達を加速させて追いつこうとしているのですね。
7. 赤ちゃんの眠りは十人十色
赤ちゃんの眠りが浅いのも、その浅い眠りが発達と成長に重要だという事もわかりました。それでも「何ヶ月になったら長く寝てくれるの?」という疑問を持つかたもいるのではないでしょうか。
赤ちゃんがすんなり寝付いて、一晩眠るようになる月齢は、正直誰にもわかりません。すんなり寝ても何度も起きる子もいれば、なかなか寝付かないけど、寝たら一晩ぐっすりという子もいます。寝ない上に何度も起きる子もいるのです。
最初の3ヶ月は、眠りは長くても4時間。赤ちゃんの胃袋は小さいので、すぐお腹が空くためです。1日トータルで14~18時間は眠ります。3~6ヶ月になると、起きている時間も長くなり、眠りも5時間程に伸び、夜に起きる回数も2,3回になります。深い眠りに入るまでの時間が短くなり、深い眠りの時間は長くなります。夜間の浅い眠りになっても起きずに眠れるようになります。
新生児の睡眠習慣は、赤ちゃんの性格・個性によって違うので、親の世話のしかたによって変わるものではありません。ぐっすり眠る赤ちゃんのママの育児法をまねしたところで、自分の赤ちゃんも同じように眠るわけではありません。赤ちゃんが長く寝るという自慢話は、たいていが大げさに言っているものです。周りのいう事に惑わされず、赤ちゃんとしっかり向き合いましょう。赤ちゃんが起きるのは、あなたのせいではないのですから。
8 やっぱり赤ちゃんは起きるもの
赤ちゃんの睡眠サイクルが大人のようになる年齢は、赤ちゃんによってさまざまです。生後6ヶ月を過ぎると、だいたい落ち着いてきますが、それでも赤ちゃんは夜に起きることがあります。理由は、数えきれないほどあります。風邪などの病気や歯が生えてくるときの痛みや不快感はこれから頻繁に起こるでしょう。また、体の発達にともない、赤ちゃんは浅い眠りの間に、昼間にできたことを「練習」するといわれています。お座りやハイハイの練習を寝ながらしているのです。
このようなことは1歳を過ぎると問題にならなくなりますが、成長とともに新たな問題が出てきます。親と離れる不安感や悪い夢を見たときの恐怖心などです。
イヤイヤ期の子供の寝かしつけ対策
おわりに
いかがでしたか?最低半年はぐっすり眠れないというあきらめがついたでしょうか(笑)。でも、赤ちゃんが起きるのは、生きていく上で必要な事、脳の発達にとても良い事、という事実を知っていれば、がんばれそうですよね。
すべての赤ちゃんがぐっすり眠れるようになる育児法もトリックも存在しないのです。自分と赤ちゃんとが自然で楽しく過ごせるのがベスト!自信をもっていきましょう!
参考:8 Infant Sleep Facts Every Parent should Know
いいね!で最新情報を配信♪