持病のある子と学校生活。そして親のできること
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最終更新日:2015/02/18
発育・障害の悩み
生まれた時から病気をもった子供たちがいます。病気と戦いながらも成長し、晴れて小学校に入学。しかし、学校は持病のある子に対し保護者とは違った観点で接します。
私の小学校3年生になる娘も心臓に異常をもって生まれてきました。学校がどのようなことを考え、どんな対応をしてくれるのか、体験談を中心に記してみたいと思います。持病のある子供をもつママの少しでも助けになることを祈っています。
学校生活管理指導表
まず、小学校に入学するにあたり健康診断があります。その際自宅で記入していく問診票に持病がある旨を伝えると「学校生活管理指導表」というものの記入を学校から依頼されます。それを主治医に持っていき記入してもらいます。
- A…学校に登校不可。自宅で安静にしているか、入院。
- B…学校に登校していいが、運動は一切不可。
- C…軽い運動(ボールを投げる。ジャングルジムに登る。水につかる。等)は可能。
- D…中等度の運動(軽く走る。雲梯をする。水にもぐる。等)が可能
- E…健常な子供と同じく参加可能。
このように5段階に分けられていて、自分の子がどのレベルまでやっていいのかを決めてもらうのです。逆の言い方をすると、病院から学校に伝えられるのはこれだけなのです。
学校とは確実に「安全」でなければならない場所である。
ちなみに私の娘は学校生活管理指導表において「C」と判定されました。
最初に壁となったのがプールです。たとえ管理表に水につかることが可能と記してあっても、「教師が一人の子ばかりをずっと見ていられない。プールに参加するには保護者の付き添いが必要」と学校は言ってきました。夫婦交代で仕事を休み、プールの授業に付き添いました。
次に問題となったのは運動会です。一年生は50mの徒競走の種目があるのですが、「Dでさえも「軽く走る」という制限の中、Cでは参加できない」と言われました。そのことを主治医に相談したところ、「最近調子もいいようなので、Dにしましょう」とランクをあげてもらえました。しかし、学校側は「Dでも他の子と一緒に走らせることはできない」といいます。
「子供に軽く走りなさい、と言ったところで、子供にとって運動会はオリンピックと一緒。本番では思いがけない力が発揮され、暴走してしまうことだってあります。そこで万が一心臓に支障をきたしてしまう、ということは絶対にあってはならないことなのです。たとえ、保護者の方が「責任は自分たちでとる」と言って一筆書いていただけたとしても、娘さんが必ず無事だという保証にはなりません。学校は「絶対に大丈夫」と言えることしかできないので、参加を認めるわけにはいきません。」
というのが学校の言い分でした。
どうにか参加させたい親とどうしても参加させられない学校と3日にわたって4時間話し合いました。結果としては、担任教師が並走しそのペースにあわせることが条件で参加できることになりました。
学校を納得させるために保護者ができること
正直、この運動会の話し合いは非常に疲弊するものでした。だから、これからは学校側から言われたことに対し動いたり反論したりするのではなく、主治医と私たち親が考えていることを学校に伝え、対応してもらおう、と考えるようになりました。
主治医の検診に行く際は学校でこれから行われる体育のカリキュラムを確認していきます。そしてどこまで参加できるのか具体的な数字で主治医に指示をしてもらうことにしました。たとえば縄跳びの授業だったら、どんな跳び方をしていいのか、何分間跳んでいいのか、何回跳んでいいのか、インターバルはどれくらいとるべきか、ものすごく細かく聞いていきます。
学校生活管理指導表に記してあることはあまりにもざっくりとしていて、学校側はどこまで何をやらせていいのか迷い不安に感じてしまうのです。だから、親として「自分の子供はここまで大丈夫」と自信と保証をもって学校側に伝えられれば、互いに信頼しあってやっていけるはずです。
最後に
こうして密なコミュニケーションをとり続けることで、学校側との信頼が生まれ、年々楽に、スムーズに対応してもらえるようになりました。逆に教頭が変わり、まったく気にかけられなくなったほどです。
持病のある子の親は他の子の親と比べて学校に行くことも関わることも多いです。面倒なことも少なくないですが、一番がんばっているのは他でもない自分の子供です。応援する意味もこめて、こちらから積極的に学校と関わっていく姿勢をもってもらいたいと思います。
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