「最良の母親とは、まあまあの母親である。」から学ぶ本当に大切な子育て法
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子育てのヒント
ドナルド・ウィニコットは、子育てに関して数々の名言を残している著名なイギリスの小児精神科医です。
中でも有名なのが「最良の母親とは、まあまあの母親である。」という言葉ですが、この言葉にはとっても奥深い意味がありました。今回はその言葉の中身を紐解いていってみましょう。
参照:赤ん坊と母親
本当に大切な子育て法その1:抱っこをする
ウィニコット氏は、その著書や講演会で繰り返し「抱っこ」をすることの重要性を唱えてきました。抱っこは赤ちゃんにとって特別に大切な経験であり、自分という存在を認識するうえで欠かせないものです。
お母さんのお腹の中で守られていた環境から、外の世界へ投げ出されて赤ちゃんは恐怖と不安でいっぱいです。お母さん(あるいはお父さん)に抱っこをしてもらうことで、肌の温もりや息づかいを感じ赤ちゃんは無言のうちに「あなたに関心があって、必要なものを与えたいと思っているよ。これが愛というものなんだよ。」というメッセージを受けとり、赤ちゃんの「感じる能力」が形成され、それによってこの世界と向き合うことができるようになります。
本当に大切な子育て法その2:育児書を読みすぎず、自分の感覚を頼りに接する
お母さん(あるいはお父さん)が抱っこをし、ミルクを与え、おむつを替え、お布団を被せてくれる・・・というように、ここは快適なところなんだよ、安心していいんだよ、ということを知らせるように一貫した行動をとることで、赤ちゃんはこの世界が怖いところではないんだなということを学んでいきます。
逆にいうと、赤ちゃんが泣いているのに誰もなにもしてくれない、母親ないし父親がいつも恐怖にさらされているような環境下では、赤ちゃんは安心することができないので、いつまでたってもこの世界に向き合うことをしないでしょう。
お母さんやお父さんと赤ちゃんの心が一つになることで、赤ちゃんが「自分」という存在をはっきりと認識することができます。
母親であれば、本能的に上で述べたような赤ちゃんの要求にこたえる能力をもっています。ところが時折、「これは本当に正しいのだろうか?」「何をしてあげたらいいのかわからない」と、迷うことがあると思います。その場合は育児書などを読みすぎて心に知識がブレーキをかけているのかもしれません。無知でいることはいけませんが、まずは感覚を頼りに赤ちゃんに触れてみましょう。
大切なことは「最良の育児をする」のではなく「赤ちゃんと心を同一化する」ことです。
本当に大切な子育て法その3:時には失敗してもいい。
色々試してみたんだけど、赤ちゃんが何を求めているのかわからない・・・。子育てしていたら、全てを投げ出したくなる時もありますよね。
例えば赤ちゃんが泣きやまない場合、泣いてる理由をなかなか突き止められないからといって、ガッカリする必要はありません。赤ちゃんは、泣いてる自分を一生懸命落ち着かせようとしているあなたのことを、しっかり見ています。そして「世の中すんなり解決できないことがあるんだな。でも解決しようと頑張るんだな」というところまで見て学び、この世が不完全であることを知っていくのです。
親が何かを失敗することで赤ちゃんが適度に欲求不満になり、それが修復されようとすることで、親と子が同時に成長していけるのです。ただし、失敗が修復されない状態(赤ちゃんが全く要求を聞いてもらえない状態)が続くと、赤ちゃんの精神の発達に重大な影響が及ぶということも忘れてはいけません。
おわりに
いかがでしたでしょうか。例え親が不完全であっても、赤ちゃんはそこからこの世界のこと感じ取り、学び、育ってくれるのであれば、自分がちょっとダメな親でも少しは安心できるような気がします^^
ここで気を付けるべきことは、お母さんやお父さんの心の状態が良くない時、子供がかわいいと思えないほど辛い時は、いったん赤ちゃんから離れる方が良策なのだそうです。
心の状態が良くないと、赤ちゃんが何を求めているのかを感じるセンサーが鈍くなるし、赤ちゃんに不安を抱かせてしまうからだそうです。まさに、親と子供は以心伝心なのですね!
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