妊娠・育児中なら知っておきたいビタミンDのスゴイ効果
公開日:
:
体調不良のときの育児の悩み, 妊娠・出産
風邪の予防や免疫アップにはビタミンC!強い骨に欠かせないのはカルシウム!ダイエットには・・・。これら全てをカバーする栄養素、それがビタミンD。あまり知られていませんが、ビタミンDはマルチに活躍するスーパービタミンなのです。
重要な栄養素でありながら、産後・育児中の女性はビタミンDが不足しがちです。今回は、アメリカの医療情報サイトWebMDの情報を参考に、今日から始めたい習慣と、みんなに広めたいビタミンDに関するミラクルな情報をご紹介します。
ビタミンDの役割
骨の健康のために
新生児から高齢者まで、ビタミンDは丈夫な骨には欠かせません。ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける役割があり、不足していると、いくらカルシウムをとっても、体に吸収されず、排出されてしまいます。
妊娠中や授乳中は特に意識してカルシウムと、ビタミンDの両方を毎日とるようにしましょう。
ビタミンDが不足による体調の変化
ビタミンD不足とダイエット
肥満体型の人はビタミンD不足が多いという研究結果があります。この原因は、油脂に溶けこむ性質のあるビタミンDが、体の脂肪に取り込まれてしまうためだと言われています。
また、肥満体型の人に、カロリー制限ダイエットをおこなった結果、ビタミンDを摂取していた人の方が、より早く減量できたという結果も報告されています。
肥満がビタミンD不足を引き起こすのか、ビタミンD不足が肥満を招くのかは今のところ解っていません。しかし、体重の変化へ何かしらの影響を及ぼしていることは確かです。
ビタミンD不足とうつ病
ビタミンDは脳の発達と機能に大きな役割を果たします。ビタミンDの服用は、軽度のうつ病の症状を改善するとの調査結果があるほどです。ただし、まだ研究段階の部分も多く、うつ治療でのビタミンD摂取については、医師とよく相談することをお勧めします。
ビタミンD欠乏症(けつぼうしょう)
ビタミンDが作られにくい体質、または食事から十分な量を摂っていないと、ビタミンD欠乏症になります。重度のビタミンD欠乏症は、骨軟化症(写真)を引き起こし、骨の痛みや筋肉の衰弱を伴います。子供が重度のビタミンD欠乏になると、くる病や骨軟化、骨の形成異常を起こします。
ビタミンD欠乏症なりやすい人の特徴は、以下の5つになります。
- 1.年齢50歳以上
- 2.肌の色が濃い
- 3.太り気味、肥満、胃のバイパス手術を受けている
- 4.クローン病やセリアック病などの肝臓または消化器系疾患である
- 5.家の中で過ごす時間が多い人
ビタミンDは1日にどのくらいの量が必要?
米国医学研究所のガイドラインによると、健康な骨と体のための血中ビタミンDの目標値は20ng/mLとされています。それより高い30ng/mLを目標とする医師もいます。血中ビタミンDの量を検査する血液検査は簡単で、アメリカでは産後の女性に薦める医師が増えてきています。
ビタミンDの摂取量の基準は、70歳までの成人は1日当たり600IU(15㎍)、71歳以上では800IU(20㎍)が推奨されています。それ以上を摂取するように勧めている研究者もいますが、どんなものでもとり過ぎは危険。米国医学研究所は1日当たり4000IU(100㎍)を超えて摂取すると、逆に体に害を与えると警告しています。
ビタミンDの摂り方
午前中のお散歩でビタミンDをつくろう
日光が肌にあたると、その作用として体内でビタミンDがつくられます。色白の人は、週に3~4回、晴れの日に5~10分日に当たれば十分なビタミンDが作られるようです。ですので、午前中の子どもとの散歩はビタミンDを作るのにピッタリです。
ただ、梅雨の時期や冬場は快晴が少なくなるため、日光によって作られるビタミンDの量も減ってしまいます。冬や梅雨は、食物やサプリメントから積極的に摂取するようにしましょう。
食品からビタミンDを摂ろう
天然のビタミンDを豊富に含む食品はそれほど多くありません。例外は魚で、鮭、サンマ、サバなどは、1食分に健康的な量のビタミンDを含んでいます。マグロやイワシは脂質が豊富ですが、ビタミンDの含有量は多くありません(イワシは丸干しにすると含有量が多くなりますのでお勧めです)。
卵黄、牛レバーにも少量含まれ、また朝食シリアルや乳飲料にはビタミンDが添加されているものがあります。日本には幸い、ビタミンDが豊富でしかも日常おなじみの食材があります。乾燥キクラゲ、干しシイタケ、イクラやシラスなどです。
D2とD3って何?サプリメントを選ぶときのポイント
ビタミン豊富な食品を食べることがベストではありますが、それでも不十分な場合はサプリメントで補います。ビタミンDのサプリメントには、D2とD3の2種類があります。D2(エルゴカルシフェロール)は食品に含有されるタイプで、D3(コレカルシフェロール)は日光照射によって産生されるタイプ。
作られる過程は違いますが、どちらも血中ビタミンD値を上昇させます。自分に合ったサプリメントを選ぶ際は、医師や薬剤師と相談しましょう。
子供とビタミンD
食事からのビタミンD摂取だけでは、たいていの子供にとって不十分です。成長期の子供は400~600IU(10~15㎍)のビタミンDが必要で、この量は子供向けのマルチビタミン剤で摂取できます。薬剤師などと相談の上、子供用のビタミン剤を選ぶようにしましょう。
おわりに
ビタミンDに関しては、まだまだ長い研究段階で、解明されていないことも多いですが、アメリカの研究機関では大腸がんや糖尿病、心臓疾患、多発性硬化症、認知症などの予防とビタミンDの関連性が研究されており、いずれも有望な結果がでているようです。また、ビタミンDは風邪予防にも効果があるという研究結果があり、ビタミンD剤を服用している人のインフルエンザの発症率は、服用していない人の約半分とのことです。
風邪の季節は、未知の力を秘めたビタミンDを賢く摂取して、家族みんなが健康で過ごせるようにしましょう。
参考:WebMD.com Slideshow: The Truth About Vitamin D
いいね!で最新情報を配信♪